「カイゼン」の取り組み

TimeTracker FXは、デンソークリエイトの社内改善活動から生まれました。

製品の開発・改善の経緯として、デンソークリエイトの改善活動の足跡をご紹介します。

  • 工数管理 改善のための基礎データとして、正確な工数を収集 (2004年)
  • プロジェクト管理 計画・進捗管理の改善と、 工数の分析による改善促進 (2006年)
  • Excel連携 TimeTracker FXの定着化と、 定量的な進捗報告 (2008年)
  • 見える化 工数による見える化と、 現場主体の改善推進 (2009年)
  • 計画の「見せる化」 計画が自然と意識・更新される業務スタイルの定着 (2010年)
  • 定着支援 工数入力の定着促進と、他ツールとの連携強化 (2011年)

工数管理

改善のための基礎データとして、正確な工数を収集

現場の改善活動

  • 工数による品質や生産性を高める改善活動を本格化したい。

主な課題・悩み

  • 正確な工数データをタイムリーに集計できる必要がある。
  • ツールの支援が無いと、精度がばらつく・続かない。
  • 使い勝手の悪いツールで作業時間を申告させる方式では、改善に使えるデータが集まらない。

デンソークリエイトのソフトウェア開発の現場において、品質や生産性を高める改善活動が本格化し、まずは現状を把握するために正確な工数データを集めることから着手しました。しかし、表計算ソフトや使い勝手の悪いツールで作業時間を申告させる方式では、工数を正確かつタイムリーに集計できないことを経験。そこで、自社ツールを改訂し、より操作性を高めた工数管理システムTimeTrackerを開発しました。

  • 2004年 他社や他業種でも使用できるように一般化した「TimeTracker V1」市販化。
  • 2005年 編集操作などの使い勝手を向上させた「TimeTracker V1.5」をリリース。

製品の改善点・工夫点

  • ドラッグ&ドロップでの直感的な工数入力
  • プロジェクトの作業構造(WBS)の作成とガントチャートの表示
  • Excelへのデータエクスポート機能

プロジェクト管理

計画・進捗管理の改善と、工数の分析による改善促進

現場の改善活動

  • CMMI(能力成熟度モデル統合)を適用し、組織として品質や生産性を高めたい。
  • 工数による採算の見える化に加え、品質・生産性の見える化も行いたい。
  • プロジェクトの計画・進捗管理方法(見積り、スケジュール、計画のレビューなどのプロセス)を組織的に定義・改善したい。

主な課題・悩み

  • ツールの計画作成機能が現場の実情に合っておらず、現場がツールに合わせなければならない。
  • 現場はExcelの使い勝手になれており、同等か上回る使いやすさがないとツールを移行してもらえない。
  • 毎回Excelで分析するのが面倒。

「TimeTracker V1」の導入により、現場に負荷なく正確なデータが集まるようになりました。
しかし、この時搭載されていたプロジェクト管理機能は、始めから詳細な計画を立てなければならない方式で、大まかな計画を徐々に詳細化していく現場のやり方に合わないものでした。そこで、現場の計画の立て方に着目し、大まかでも詳細でも柔軟に計画が立てられる仕組み(FX-WBS:FleXible WBS)を考案。現場が計画時によく使用していたExcelの特徴(操作性・見積り計算など)や、工数を使った集計・分析がより簡単になる仕組みも取り入れた「TimeTracker FX」を開発しました。

  • 2006年 より現場に馴染みやすい製品として「TimeTracker FX」をリリース。
    「V2」ではなく「FX」(FX: FleXibleの略)と名付けたのは、「ツールが現場の実情にあわせる」というこだわりからです。

製品の改善点・工夫点

  • 作業構造(WBS)の自由な粒度で計画が立てられる仕組み(FX-WBS)
  • Excelライクな操作性とカスタマイズ性
  • 工数を自在に集計できるピボット分析
  • メンバの負荷の可視化やプロジェクト横断分析・モニタリングなど、現場からマネージャーまで使える製品に

Excel連携

TimeTracker FXの定着化と、定量的な進捗報告

現場の改善活動

  • 全プロジェクトでTimeTracker FXを利用した進捗管理を行うまで定着させたい。
  • 定量的なデータを用いた進捗報告と評価をしたい。

主な課題・悩み

  • 進捗報告書などのExcel帳票にTimeTracker FXのデータを転記する作業が煩雑で、進捗報告が定量的にならない。
  • 特に進捗管理において、やはりExcelを使った管理は現場では必須であるため簡単に連携させたい。
  • データベースの管理に専門知識が必要で難しい(お客様の声)。

「TimeTracker FX」は、社内でも標準のプロジェクト管理ツール(見積りからスケジューリング・進捗管理まで)になりつつありました。
一方で、現場では報告書をExcelで書くことが多く、その帳票を見てみると良く工夫されており、Excelでの進捗報告は現場にとってやはり必須であることが分かりました。Excelの報告書にTimeTracker FXのデータを転記する作業は手間がかかるため、TimeTracker FXを使わなくなってしまうケースもありました。そこで、「TimeTracker FXがExcelと簡単に連携することでお互いの良さを活かす」という方針に切り替え、「Excel連携アドイン」という新機能を開発。Excelの報告書とTimeTracker FXが簡単に同期できるようになりました。

  • 2008年 お客様の声を反映し、50以上におよぶ新機能を追加、インターフェースの改善を行った「TimeTracker FX 2.5」をリリース。

製品の改善点・工夫点

  • Excel連携アドインにより簡単にExcel帳票とやり取り
  • Webブラウザのようなインターフェースで手軽に扱えるサーバ管理ツール「Server Manager」により
    データベース管理が簡単に
  • その他、50に及ぶ改善(使いやすさの向上)

見える化

工数による見える化と、現場主体の改善推進

現場の改善活動

  • 工数による分析・見える化を誰でもできるようにしたい。
  • 現場が自主的・主体的に工数による見える化・改善を行えるようにしたい。

主な課題・悩み

  • せっかく改善に使えるデータが集まっているが、それを分析して見える化するのに手間がかかる。
  • 手間がかかると分析・見える化をしない人も出てくる。
  • 工数を入れることが目的になってしまい、改善に活かす動きが起きない。

作業時間の分析や見える化は、Excelに出力して手作業で加工するなど手間のかかる作業です。そのため、データは集まるが分析や改善活動までたどり着かないケースが見られるようになりました。
また、改善の推進部門や担当がレポートを作ったとしても、それは与えられたものであり、現場の自主的な改善活動の推進には繋がりません。
そこで、誰でも簡単に工数による見える化・改善活動を始めやすくするため、「思ったときに手間なくすぐに見える化」をコンセプトに、「クイックレポート」機能を搭載。これにより、データをExcelなどに出力する必要もなくなり、個人の工数の振り返りや、プロジェクトの工程別の工数比率のような分析やレポート作成などにかかっていた負荷が大幅に軽減されました。

  • 2009年 「クイックレポート」機能を搭載し、分析・見える化を強力にサポートする「TimeTracker FX 2.7」をリリース。

製品の改善点・工夫点

  • クイックレポートにより個人・プロジェクト単位で工数を見える化
  • ガントチャートにイナズマ線の表示が可能に
  • ピボット分析機能にグラフ機能を搭載してExcel不要で見える化

計画の「見せる化」

計画が自然と意識・更新される業務スタイルの定着

現場の改善活動

  • メンバが計画を常に意識しながら仕事をするというスタイルを定着させたい。
  • プロジェクトの計画がタイムリーに更新されるようにし、精度も向上させたい。

主な課題・悩み

  • プロジェクトのメンバが計画を確認するのに手間を感じており、計画があまり閲覧されていない。
  • 計画を意識することが少ないため、計画の更新頻度や精度が上がらない。

TimeTracker FX 2.7での業務の「見える化」により、現場の改善活動もより活発になりました。しかし、TimeTracker FX 2.7では、プロジェクトのメンバがスケジュールを確認するには計画ツールである「プランナー」を使う必要があるため、その手間から計画を頻繁に見ないメンバが多く、計画に対する意識が弱まってしまう状況でした。また、それが計画の精度や更新頻度を低下させる結果に繋がっていました。

そこで、「誰もが計画を意識して工数入力ができる。計画をより近く、手軽に。」をコンセプトにTimeTracker FX 3を開発。工数入力をする機能である「タイムシート」に自分専用のガントチャートを搭載し、メンバが日々行う工数入力の場面で計画を「見せる化」。誰でも自然と計画を意識して仕事できるようになることを目指しました。マネージャやリーダだけでなくメンバ全員が計画を確認するようになれば、計画の更新頻度や精度も自然と向上していくはずです。

また、「プランナー」では実績工数と計画工数とを視覚的に比較できるようになっており、予定通りに進んでいるか、どの作業に工数を使っているかなどを自分で振り返ることができます。これは、メンバが計画と工数を意識し、それを活用することに嬉しさを感じられるようにするための工夫です。

さらに、「現場志向の計画支援」として要望の多かった、納期から開始日を逆算してスケジューリングできるバックワードスケジューリング機能の追加や、 Excel帳票からの計画移行の支援、スケジューリングなど計画編集機能の操作改善など、プロジェクト計画機能についても数多く改善したことで、現場の実状にあったプロジェクト計画の作成・編集がさらに効率的に行えるようになりました。

  • 2010年 Excelの計画書の移行支援や現実的なスケジューリング機能など、計画・進捗管理を大幅に強化した「TimeTracker FX 3」をリリース。

製品の改善点・工夫点

  • 工数入力時にガントチャートを表示してメンバに計画を「見せる化」
  • 納期から開始日を逆算して計画するバックワードスケジューリング機能
  • Excelの計画書からTimeTracker FXに、コピー&ペーストで簡単に移行可能に
  • より計画の編集が簡単になるように操作性をさらに改善
  • その他、セキュリティ強化、操作性など50におよぶ改善

定着支援

工数入力の定着促進と、他ツールとの連携強化

現場の改善活動

  • TimeTracker FXによる工数管理を定着させたい。
  • 工数データの精度をさらに向上させて改善活動に使いたい。

主な課題・悩み

  • 工数入力の文化が無く、続かない。
  • 時々、工数の入力忘れが発生してしまう。
  • データをまとめ入れするせいで、改善に使えるデータ精度にならない。

工数管理ツール導入の初期段階では、「工数入力の文化が無く、全員に浸透しない」「入力が続かない」など、必ずと言っていいほど工数入力の定着に悩むことになります。また、集めたデータの精度の低さも課題の一つです。

例えば、ある日の一日の実績工数を一週間後にまとめて入力したとします。一週間も経ってしまうと内容もかかった時間も忘れてしまっているため、思い出しながら入力することになります。そのようなまとめ入れでは、入力データの精度が低下し、改善に使える正しいデータが集まりません。工数による改善活動を促進するためには、「工数のまとめ入れ」を少しずつ解消し、その日の工数はその日に入力するように風土を醸成する必要があります。

TimeTracker FXは現場が負荷無く工数を入力できるようなインターフェースになっていますが、導入初期では風土づくりも重要です。TimeTracker FX 3.1では「誰もが毎日工数を入力できる。工数入力が定着する。」をコンセプトに、高精度な工数入力の風土醸成を支援する機能「定着モニタ」を搭載。TimeTracker FXによる工数管理が組織に確実に浸透するように支援します。各メンバの工数入力状況を見える化できるので、なかなか入力できないメンバのフォローがしやすく、自然と日々の工数入力忘れ防止やタイムリーな工数入力が促進されます。

また、Microsoft Projectからの計画のインポート機能に加え、要望の多かったエクスポート機能も追加。さらに、Microsoft Projectの計画を閲覧できるビューア機能、Lotus Notesの予定をインポートして工数入力できる支援機能も搭載し、他ツールとの連携性を向上させました。

  • 2011年 工数入力の定着を支援する「定着モニタ」とMicrosoft Projectなど他ツール連携機能を強化した「TimeTracker FX 3.1」をリリース。

製品の改善点・工夫点

  • 工数入力の定着モニタ機能で、工数入力の定着状況を見える化
  • 工数入力忘れやまとめ入れの状況をすぐに確認
  • 組織やプロジェクト別の工数入力の定着率の推移をグラフ化
  • Microsoft Projectへの計画のエクスポート
  • Microsoft Projectの計画を閲覧(ビューア)
  • Lotus Notesの予定をインポートして工数入力
プロセス改善 :社外発表

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