クイックレポートで工数を独自の視点で分析する
概要
クイックレポートには実績工数を集計するためにあらかじめ設定されたレポートがありますが、これらのレポート以外の分析軸で集計したい場合もあります。このような場合にも、独自に設定した集計軸で工数を集計することができます。これらのレポートはそれぞれ以下のように定義され、目的に合わせて使い分けることができます。
種類 | 説明 |
---|---|
組み込みレポート | [工数の多いプロジェクト]など、あらかじめ用意されている設定(レポート)で、すぐに利用することができます。 |
カスタムレポート | 独自に集計する工数を設定し、自分が分析したい工数(例えば「割り込み作業」など特定の特徴の工数)を集計することができます。 複数のレポートを作成でき、目的に応じて使い分けることができます。 |
ここではカスタムレポートの使い方に関して、以下の内容を紹介します。組込みレポートを使用する場合はクイックレポートで工数を分析するをご覧ください。
No. | 内容 | 説明 |
---|---|---|
1 | 目的に合わせてレポートを作成する | カスタムレポートを作成する操作を紹介する。 |
2 | 状況の変化に合わせてレポートを変更する | 作成したカスタムレポートを変更する操作を紹介する。 |
3 | 集計したデータを活用する | クイックレポートで集計したデータを出力する操作を紹介する。 |
4 | 不要になったレポートを削除する | 不要になったカスタムレポートを削除する操作を紹介する。 |
目的に合わせてレポートを作成する
クイックレポートで工数を集計する項目をグループといい、このグループの単位で集計対象とする工数の条件を設定します。これにより、タイムシートに表示される工数が、条件に一致するグループ別に集計されるので、目的に合わせて柔軟に工数を分類することができるようになります。
カスタムレポートを作成する主な方法は以下のとおりです。それぞれの手順について紹介します。
- プロジェクトに共通の特徴でグループ化して工数を集計する
- プロジェクトより細かい粒度で気になるワークアイテムの工数を集計する
- キーワードをもとにプロジェクト横断で工数を集計する
プロジェクトに共通の特徴でグループ化して工数を集計する
例えば[主要業務]と[割り込み業務]など、プロジェクトに共通の特徴ごとのグループを定義し、複数のプロジェクトをまとめてグループに登録してカスタムレポートを作成します。
操作手順
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[カスタムレポートを追加]アイコン
をクリックする。
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[名前の設定]ダイアログで新規に作成するレポートの名前を入力し、[OK]をクリックする。
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[グループを追加]アイコン
をクリックして、工数を集計する項目を追加する。
これらの項目をクイックレポートでは[グループ]と呼びます。
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名前が編集可能な状態で[グループ名]の箇所に追加されるので、グループがどのような工数を集計したか分かるような名前(例えば「主要業務」など)を入力する。
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集計する工数の項目の数だけ、手順3を繰り返してグループを追加する。
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ワークアイテムツリーにて、グループに含めるプロジェクトを選択(複数選択可)し、クイックレポートのグループにドラッグ&ドロップする。
-
定義したグループの数だけ手順6を繰り返し、クイックレポートで集計する工数を定義する。
- [集計期間]のドロップダウンリストから、集計対象にする期間を選択する。
以上の手順にて、例えば下図のような[主要業務]と[割り込み業務]という2つの特徴でプロジェクトを分類し、本来行うべき作業に工数が取れているか振り返るレポートが作成できます。
プロジェクトより細かい粒度で気になるワークアイテムの工数を集計する
例えばプロジェクト内の「案件」など、プロジェクトより細かい粒度で気になるワークアイテムの工数をクイックレポートに登録し、集計結果を確認しつつ、カスタムレポートを作成します。
カスタムレポートを作成した直後は実績がすべてグレーになっていますが、自分が集計したい工数のみ色が設定されていくので、気になる工数の状況がすぐに確認できます。
操作手順
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[カスタムレポートを追加]アイコン
をクリックする。
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[名前の設定]ダイアログで新規に作成するレポートの名前を入力し、[OK]をクリックする。
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ワークアイテムツリーにて、集計したいワークアイテムを選択し、右クリックする。
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表示されるメニューから[クイックレポートに追加]の[新しいグループとして追加]を選択する。
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タイムシートの実績を確認しながら、さらに集計したいワークアイテムに対して手順3を繰り返す。
- [集計期間]のドロップダウンリストから、集計対象にする期間を選択する。
以上の手順にて、例えば下図のように今週は[案件A]・[案件B]・[案件C]のなかでどの案件について作業しているか確認するといったレポートが作成できます。
キーワードをもとにプロジェクト横断で工数を集計する
工数に紐づくタスク名やメモを対象に、プロジェクトを横断して特定の工数を集計するクイックレポートを作成します。例えば[会議]や[出張]、[教育]など、設計や製作などの活動以外に使用した工数を集計し、自分がどの程度工数を作業に投入できるのか確認することができます。
操作手順
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[カスタムレポートを追加]アイコン
をクリックする。
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[名前の設定]ダイアログで新規に作成するレポートの名前を入力し、[OK]をクリックする。
-
[グループを追加]アイコン
をクリックして、工数を集計する項目を追加する。
これらの項目をクイックレポートでは[グループ]と呼びます。
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名前が編集可能な状態で[グループ名]の箇所に追加されるので、グループがどのような工数を集計したか分かるような名前(例えば「出張」など)を入力する。
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集計する工数の項目の数だけ、手順3を繰り返してグループを追加する。
Note
集計する工数が複数のグループの条件に一致する場合、グループ名での並び順で最も上位にあるグループの工数として集計されます。 -
条件を設定するグループの右にある[設定]
をクリックする。
-
表示するメニューから[キーワード条件を追加]をクリックする。
-
[キーワード]・[除外キーワード]を指定して、[OK]ボタンをクリックする。
[キーワード]で設定した文字列をワークアイテムの名前や実績のメモに含む作業実績の工数を集計します。また、[除外キーワード]を設定して集計から除外する工数を指定できます。
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[集計期間]のドロップダウンリストから、集計対象にする期間を選択する。
以上の手順にて、例えば下図のような作業外の時間となる[出張]・[会議]・[教育]がどの時間帯に存在し、作業を圧迫しているかを確認するレポートが作成できます。
以上でカスタムレポートが作成できました。
状況の変化に合わせてレポートを変更する
作成したレポートの設定は後から変更することができます。分析結果は常に最新の状態になるので、変更した内容ですぐに確認できます。集計対象とするプロジェクトが増えたり、一つにまとめていた工数を細分化して集計するなど、状況の変化に合わせてレポートを最適化して、目的に沿った分析ができます。レポートに対して実施可能な変更は以下のとおりです。
- レポートをコピーする
- レポートやグループの名前を編集する
- グループの表示色を変更する
- グループに設定した集計の条件を変更する
- グループや集計の条件を削除する
- 集計期間を変更する
レポートをコピーする
作成したカスタムレポートはコピーすることができます。元に戻せるようにオリジナルは残したままレポートを変更したり、類似のレポートを作成する際にベースとなるレポートをコピーして編集するなどの活用ができます。
操作手順
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[設定]
をクリックする。
-
表示されるメニューから[カスタムレポートを設定]をクリックする。
- 表示する[カスタムレポートの設定]ダイアログでコピーするレポートを選択する。
- [コピー]ボタンをクリックする。
レポートやグループの名前を編集する
レポートの目的が変わるなどにより、レポートやグループの名称が分析の内容とそぐわなくなった場合、それらの名前を変更することができます。
レポートとグループそれぞれの名称は以下の手順で変更できます。
レポートの名前を変更する
-
[設定]
をクリックする。
-
表示されるメニューから[カスタムレポートを設定]をクリックする。
- 表示する[カスタムレポートの設定]ダイアログで名前を変更するレポートを選択する。
-
[名前を変更]ボタンをクリックする。
-
[名前の設定]ダイアログで任意の名前に変更して[OK]ボタンをクリックする。
- [OK]ボタンをクリックして、[カスタムレポートの設定]ダイアログを閉じる。
グループの名前を変更する
-
名前を変更するグループの右にある[設定]
をクリックする。
-
表示するメニューから[名前を変更]をクリックする。
- グループの名前が編集状態になるので、任意の名前に変更する。
グループの表示色を変更する
クイックレポートのグループごとに初期の色から別の色に変更することができます。強調する項目を赤や黄色など視認性の高い色にするなど、意図的に各グループの色を定義することで分析結果がさらに分かりやすくなります。
操作手順
- 名前を変更するグループの右にある[設定]をクリックする。
- [色を変更]を選択し、表示されるカラーパレットから、変更する色を指定する。
グループに設定した集計の条件を変更する
レポートで集計するグループに定義した条件が、アイテム名の変更などにより意図どおりに集計できなくなった場合に、グループに設定した集計の条件を見直して修正することができます。 条件の変更はすぐに集計結果に反映され、再集計する手間はありません。追加や変更など、それぞれの変更方法は以下のとおりです。
条件を追加する
グループに条件を追加する操作は、カスタムレポート作成時にグループへ条件を追加した操作と同様です。
条件を変更する
設定した条件(キーワード)を、以下の手順で変更することができます。
- キーワード条件の右にある[設定]をクリックする。
- 表示するメニューから[キーワード条件を設定]をクリックする。
- 表示する[キーワード条件の設定]ダイアログで[キーワード]・[除外キーワード]を変更する。
- [OK]ボタンをクリックし、編集内容を反映する。
条件を移動する
対象の工数を集計するグループが変わるなどの場合に、グループに設定した条件を別のグループに移動することができます。条件を移動するには対象となる条件を移動先となるグループにドラッグ&ドロップします。
グループや集計の条件を削除する
プロジェクトが終了したときなど、不要になった条件やグループを削除することができます。削除対象とするグループや条件を選択し、[選択要素を削除]アイコンをクリックします。グループを削除する場合は、そのグループに設定された条件もまとめて削除されます。
集計期間を変更する
カスタムレポートも組み込みレポートと同様に、集計期間を指定することができます。集計期間の変更はクイックレポートで工数を分析するをご覧ください。
集計したデータを活用する
クイックレポートで集計したデータは、コピーしてExcel等に貼り付けたり、PDFファイルとして出力できます。これらを出力データは、関係者への報告書の資料としたり、報告書そのものとして活用することができます。
集計したデータをコピーする
集計した工数の情報をExcelなど他のアプリケーションに貼り付けられるようにコピーします。
操作手順
- [設定]をクリックする。
- [データをクリップボードにコピー]をクリックする。
- コピーしたデータをExcelなどに貼り付ける。
PDFファイルに出力する
集計した工数データやグラフをPDFファイルに出力します。
報告書の形にまとめられたデザインで出力され、報告書の体裁に整える手間がなく手軽に情報を共有できます。
操作手順
- [設定]をクリックする。
-
[レポートをファイルに出力]をクリックする。
Note
PDFファイルがダウンロードされます。
不要になったレポートを削除する
分析対象のプロジェクトが終了したり、分析自体が不要になったなどの理由により使わなくなったレポートは削除することができます。
操作手順
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削除対象のレポートを表示した状態で、[設定]
アイコンをクリックします。
-
表示するメニューから[カスタムレポートの削除]を指定する。
- 表示中のレポートが削除され、組込みレポートの[工数の多いプロジェクト]が選択された状態になる。